胃カメラとバリウム(後編)

昨日の朝。

病院から届いた人間ドックの封筒を隠したにも関わらず、朝っぱらから見つけ出し開封してしまった妻。

 

妻 「人間ドック、夫さんのバリウムになってるよ。」

私 「あれ?なんでだろ。。。」

 

原因は私です。

まぁまずはスットボケ作戦で様子を見ます。

 

妻 「二人で胃カメラにしなかったの?」

私 「いや、夫婦で胃カメラ申し込んだような。。。」

 

申し込んでいません。

 

妻 「わかった。あとで病院に確認してみるね。」

私 「あ、それは。。。」

 

どうやら潮時のようです。

私が病院に予約の電話をしたのは約半年前。

おそらく当時の担当者も私がバリウムに変更した経緯など覚えていないでしょうが、もし何も知らない妻が変更を申し込んだら先方に多大な迷惑をかけてしまい被害者が爆増してしまいます。

 

間もなく私は出勤しなければならず、打開策を熟考する猶予すらありません。

ここは男らしく直球勝負です。

 

私 「思い出した!たしか胃カメラの定員が残り1名しかなくて、私のぶんだけバリウムに変更したんだった!」

妻 「嘘こけ。」

 

嘘ではありません。

ただ言わなかっただけです。

 

妻 「だったらもっと早く私に言ってるはずだべ。」

私 「いや、本当なんだけど。。。」

 

妻に言った理由は本当です。

ただし、完全に機を逸しているため信じてもらえません。

 

妻 「そんなに胃カメラ嫌か?」

私 「嫌です。」

 

好きか嫌いか尋ねられたので正直に答えましたが、みるみる妻の顔が怒りん坊に。

おそらく完全に誤解されているのでしょうが後の祭りです。。。

 

もしタイムマシンがあるのなら、半年前の自分をパンチしに行きたい気分です。

どうしてすぐ言わなかったんだ!って怒鳴りつけたい気分です。

しっかりしろ!半年前の私!

 

それから、私が出勤する間際までこれでもか!これでもか!と言わんばかりに怒られました。

 

 

 

昨日の夜。

勇気を振り絞って帰宅。

この勇気を半年前にも振り絞りたかったものです。

 

私 「ただいま。。。」

妻 「おかえりなさい。」

私 「今朝はごめんなさい。」

妻 「今朝じゃないね。半年前はごめんなさいじゃないの?」

 

ここで嘘泣きしたら許してもらえるかもと思いましたが涙が出ません。

嵐が過ぎ去るまでだまってうつむきます。

 

妻 「過ぎたことはしかたない。正直に言え。」

私 「今朝、お話ししたとおりでして。」

妻 「じゃぁ半年前どうしてすぐ言わなかった?」

私 「怒られると思って。。。」

妻 「乙女か!」

 

ここで妻が笑いだしたので、私も合わせたほうが良いと思い笑いました。

 

妻 「なに笑ってるの?」

 

合わせないほうがよかったようです。

 

妻 「これからする質問、全部正直に答えろ。」

私 「はい。」

妻 「最初から夫さんだけバリウムで申し込んだの?」

私 「いえ。夫婦で胃カメラを申し込みました。」

妻 「じゃぁなんで夫さんだけバリウムになったの?」

私 「予約した日が胃カメラの定員が残り1名でいたしかたなく。」

妻 「日にち変更したら二人で胃カメラにできなかったの?」

私 「できました。」

妻 「なんで変更しなかったの?」

私 「託児所の予約日を変更したくなくて。」

妻 「で、託児所を理由に人間ドックの日にちをずらさなければ、夫さんだけバリウムになってラッキーって思ったの?」

 

むかしから勘のいい妻。

あまりにもその通りすぎて思わず笑ってしまいました。

 

私 「へへ。」

妻 「おそろしく反省の色がないな。」

 

まだまだ怒られると思った矢先に長男が鼻血を出してしまい休戦。

その後は呆れ果てたのか、許されたのかあまり怒られずに無事嵐が過ぎ去りました。

 

ちなみに昨日、妻から送られてきた柴犬ゆきの画像は、妻がチョーカーを手作りしたようで出来栄えを見てほしくて送ってきたそうです。

 

ゆきは私が怒られている最中ずっとケージの中に身を潜めていました。 

 

独断でバリウムに変更する際はお気を付けください。