花火

妻 「夜になると長女が不安そうな顔するんだよね。」

 

これはいけません!

先日発生した北海道胆振東部地震の影響による大規模な停電中、できるだけ不安にさせまいと明るく振るまうなど鋭意努めてきたつもりでしたが残念ながら及ばずだったようです。。。

夜になっても不安がることはないと長女を安心させねばなりません。夜になると楽しいイベント。それは花火です!

 

私 「じゃあ花火しようか!」

妻 「花火あまってるから使いきっちゃおう。」

 

と、いうことで今夜は我が家花火大会です。

とは言っても派手な打ち上げ花火はいくつかしかありません。以前買いに行ったとき意外と高かったので安くて量がある手持ち花火をメインに買ってしまいました。

我が家は「質より量」なところがあります。

重要なので繰り返します。

質より量です。

 

夜になり夕食を終え、ふと長女を見ると確かにいつもとは違い微妙に暗い表情の長女。

なぜ暗い表情をしているのか傷心中のレディに理由を聞くのも野暮なので、ここは男らしく直球で誘います。

 

私 「長女ちゃん、花火しようか?」

長女「!!」

 

長女の表情が明るくなりました。

ちなみに長男は相変わらず元気いっぱいのやんちゃ坊主で、長女が喜ぶとつられて喜んでいました。

 

私と柴犬ゆきは一足早く外に出て花火の準備していると、待ちきれない様子の妻と姉弟が出てきます。

これから何が起こるかわからないゆきは無邪気に喜んでいます。

 

まずは景気づけに派手目の噴出花火です。

火を噴いたとたんびくびくするゆき。

 

そして勢いよく噴出が始まると後ずさりするゆき。。。

 

噴出花火が終わると長女が次々と花火を堪能しますが、ゆきは離れてびくびくしつつ視線を送るだけです。その表情は非常に不安そうでさっきまではしゃいでいたのが嘘のようです。

 

見かねた妻がゆきを呼び寄せ、話しかけながら花火を始めるとそれまで不安一色だったゆきの表情が一変し興味津々な表情へと変わりました。 

 

私 「俺も少し花火しようかな。」

妻 「線香花火あるよ。」

私 「はい。」

 

手持ち花火ではしゃぐ長女の横でひっそりと線香花火の微かな光に照らされる中年男性の私。

 

十数分後、手持ち花火も残りわずかとなってきたところで残りの打上花火と噴出花火で後半戦を彩ります。

打上花火の音に狂喜し、噴出花火の派手な演出に乱舞する我が家。

残りはわずかな手持ち花火だけとなりました。

 

私 「あと少しだし俺も花火しようかな。」

妻 「線香花火あるよ。」

私 「はい。。。」

 

誰にも声をかけられず線香花火の微かな光に照らされる中年男性の私。

少しでも長く火球を維持しようとそよ風が当らない隅っこで線香花火の微かな光に照らされる中年男性の私。

気付くと花火は全て使い切り長女もご満悦のご様子。

ゆきもいつの間にやら花火を怖がらなくなっており長女の後を追っていました。

 

これにて我が家花火大会は終了となります。

 

妻 「けっこう本数あって楽しかったね!」

私 「線香花火すごい量あったわ。」

妻 「楽しかったべ?」

私 「はい。。。」